山口大学研究推進体
2023年度認定
2023.10.1-2028.9.30
Sustainable Regional
Well-being Research Unit
日本の総人口の減少は、地域の高齢化・過疎化を加速させ、介護を必要とする高齢者の増加に地域内の福祉資源が追いつかない状況を迎えつつあります。こうしたなかで、いま着目されている「地域well-being」(住民が安心して幸福感を持って暮らせる地域)の実現を目指すには、個人の健康・医療・介護データの活用やデジタル活用による「人の手」のみに頼らない暮らしの維持が不可欠です。
現状では、医療や介護などの多業種間連携も進みが遅く、個人データの活用も十分にできていないために、高齢者の暮らしの変化、具体的には、独居や増え続ける別居子による介護(遠距離介護)への対応ができないまま、非効率な状態が続いています。
そこで、世界的にもっとも高齢化した国である日本のなかでも第3位の高齢県である山口県をフィールドにして、社会学、医学、理学、看護学、経済学、観光学など、多様な分野の研究者が集うことで、人口減少地域においてデジタルを活用することで「地域のwell-beingを向上させる方策」を多角的に考察します。
地域と、そこで暮らす人々に有益な研究をおこなうために、既に地域で活動している多くの機関と協力し、さらに、デジタルを活用したヘルスケア分野において世界のトップランナーであるエストニア共和国のタルトゥ大学とも連携し、世界の最前線を取り入れていきます。
研究代表者 山口大学 経済学部 教授 鍋山 祥子
3つの研究の柱ごとに研究を担当する推進体のメンバーを紹介します
①シニアの安心・幸福・満足感(地域well-being)を向上させる健康・医療・介護データの活用策の提示
①-1 運動・医療・介護データの連携と活用
①-1 運動・医療・介護データの連携と活用
①-2 地域well-beingを高める健康コミュニティ
①-3 データ活用による遠距離介護支援
②高齢化する人口減少地域での暮らしの維持を支援するデジタル技術やデータ連携策の提示
②-1 中山間地域における暮らしの維持とデジタル活用
②-1 中山間地域における暮らしの維持とデジタル活用
②-2 へき地での高齢者の暮らしを繋ぐ医療・介護連携
②-3 中山間地域における包括ケアと多職種連携
③デジタルを活用した地域well-beingの向上をテーマとするwellnessツーリズムプランの開発と地域well-beingの地域経済への影響分析
③-1 wellnessツーリズムプランの開発
③-2 地域well-beingが地域経済に与える影響
③-3地域well-beingに影響を与える因子分析
研究推進体の活動に協力していただいている方々を紹介します(順不同)
これからもご協力いただける方々を増やしていきます
研究推進体の研究活動における成果を
お知らせしていきます
①シニアの安心・幸福・満足感(地域well-being)を向上させる健康・医療・介護データの活用策の提示
coming soon
2
②高齢化する人口減少地域での暮らしの維持を支援するデジタル技術やデータ連携策の提示
coming soon
3
③デジタルを活用した地域well-beingの向上をテーマとするwellnessツーリズムプランの開発と地域well-beingの地域経済への影響分析
coming soon
研究代表者 鍋山 祥子
Shoko NABEYAMA
名字のアルファベット@yamaguchi-u.ac.jp
これまでに実施したイベントなどを掲載します
2024.3.18
「デジタル化横展開推進協議会設立記念イベント」
出席
2024.3.17
山口大学 持続可能なwell-being研究推進体 キックオフシンポジウム
KDDI維新ホール
2023.12.8
第1回
地域well-being研究会
ウェルネスセンター中央
それぞれの研究についての情報交換
今後の研究計画についての意見交換
coming soon
overview
coming soon
overview
1.山口大学「持続可能な地域well-being研究推進体」のねらい
山口大学 鍋山祥子
高齢化と人口減少が進む山口をフィールドに、医療介護情報連携や高齢者ケア、暮らしをつなぐためのデジタル活用策について検討する。
2.エストニアにおけるデジタル活用の現状
日本・エストニア友好協会顧問/前在エストニア日本国特命全権大使 北岡元氏
エストニアのデジタル大国への歩みも、決して平坦な道のりではなかった。個人情報の取り扱いに関する国民の「信頼」を獲得することを基盤として、デジタル活用に関しては丁寧な説明を繰り返した。信頼の獲得は、①データの所有権は自分にあるという原則の徹底 ②「なりすまし」ができないしくみの構築 ③データの書き換えができない安全性の確保 という3つの方策によって進められた。
現在では、デジタル活用によって、ヘルスケア、教育、経済など、さまざまな場面で新たな価値が生み出されている。日本が、山口が、「エストニアから何を学ぶべきか」をわたしたち自身が考えることが重要である。
3.介護・医療情報をつなぐ ”阪急阪神みなとわ”の挑戦
日立社会情報サービス 吉岡正泰氏
現在、在宅医療介護の現場で、情報連携ツールとして使用されている”阪急阪神みなとわ”(医師や看護・介護職や家族が、要支援・要介護高齢者の身体・生活の状況を共有できる)によってQOLの向上や、業務の効率化が実現している。紙やFAX、電話による情報共有をいつまで続けるのか。サービスの担い手、受け手、制度の管理者が、早急に取り組まなくてはならない問題である。